ホームルーターが届いて、コンセントに挿したらすぐ使えた。でも「思ったより遅い」「部屋の奥だとつながりにくい」——そんな時、最初に見直すべきは契約でも設定でもなく置き場所です。
ホームルーターは置き場所を変えるだけで速度がはっきり変わる機器です。この記事では、電波が入りやすい設置場所の決め方、避けたほうがいい場所、賃貸ならではの工夫、そして試しても改善しない時の判断までを整理します。
結論:置き場所の基本は「窓際・高く・基地局側」
| 優先度 | 置き方 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | 窓際に置く | 外からの携帯電波は壁より窓を通りやすい |
| 2 | 床ではなく胸〜目の高さに置く | 家具や床の反射の影響を減らせる |
| 3 | 基地局側の窓を選ぶ | 同じ部屋でも窓の向きで電波の強さが変わる |
| 4 | 金属・大型家電から離す | 電波を遮る・干渉する原因を避ける |
| 5 | 使う部屋になるべく近づける | WiFiの届く範囲にも効く |
迷ったら「窓際で、高くて、周りに金属や家電がない場所」です。ここを基準に、端末の電波表示を見ながら2〜3か所を試すのが一番確実です。
なぜ置き場所でこんなに変わるのか
ホームルーターは1台で2つの仕事をしています。
- 外から携帯電波を受ける(スマホと同じ電波を使う)
- 部屋の中にWiFiを配る(無線LANルーターの役割)
光回線のルーターは2の仕事だけなので、置き場所は「WiFiが届くか」にしか影響しません。ホームルーターは1の仕事もあるため、置き場所が悪いと「外からの電波が弱い」と「WiFiが届かない」が同時に起きます。置き場所の影響が2重に効く、というのはこういう意味です。
電波が入りやすい置き場所の決め方
まずは窓際
携帯電波は鉄筋コンクリートの壁や金属をほとんど通り抜けられません。同じ部屋の中でも、壁際と窓際では受信の強さが目に見えて違うことがあります。設置の第一候補は、外に面した窓のすぐそばです。
床置きは避けて高い位置に
床に直接置くと、机やソファ、家具の陰になりやすく、床面の反射の影響も受けます。棚の上、窓枠の高さ、机の上など、少なくとも腰より高い位置に置いてください。ただし、金属製の棚の「中」に入れるのは逆効果です(後述)。
基地局側の窓を選ぶ
同じ家に2つ以上の窓があるなら、それぞれで試してください。携帯の基地局がある方角に面した窓のほうが有利ですが、基地局の場所は普通は分かりません。実用的なのは「窓ごとに端末を移して電波表示を比べる」方法です。
電波の強さは端末の表示で確認する
多くのホームルーターには、本体のランプや専用アプリ、設定画面で電波の強さを段階表示する仕組みがあります。置き場所を試す時は、この表示を見ながら動かしてください。表示の見方は端末ごとに違うので、同梱の説明書や公式サイトのサポートページで確認します。
試す時のコツは3つです。
- 1か所につき1〜2分待ってから表示を見る(移動直後は安定しない)
- 電波表示だけでなく、実際に速度測定サイトで速度も測る
- 平日夜など混雑する時間帯にも一度は測る
4Gと5Gの切り替えについて
5Gは4Gより速い反面、電波が障害物に弱く、部屋の奥まで届きにくい傾向があります。端末によっては5Gと4Gを自動で切り替えるため、置き場所によって「5Gをつかんだり4Gに落ちたり」を繰り返し、かえって不安定になることがあります。
その場合、端末の設定で4Gに固定できるものもあります。電波の種類の見分け方や設定の考え方はhome 5Gが遅い時の対処法で詳しく解説しています。
避けたほうがいい置き場所
「見た目を優先して隠したら遅くなった」というのはよくある話です。次の場所は避けてください。
| 避ける場所 | 何が起きるか |
|---|---|
| 金属製の棚・ラックの中 | 金属が電波を遮る。外からの電波もWiFiも両方弱くなる |
| 電子レンジの近く | 電子レンジの使用中に2.4GHz帯のWiFiが乱れる |
| 冷蔵庫・大型家電の横 | 金属の筐体が電波を遮り、熱もこもりやすい |
| テレビの裏 | テレビ本体が壁になり、配線も密集して干渉しやすい |
| 水槽・加湿器の近く | 水は電波を通しにくい。湿気も端末に良くない |
| 床への直置き | 家具の陰になり、部屋全体にWiFiが広がりにくい |
| 部屋の隅の押し入れ・クローゼット | 壁と扉に囲まれ、外からの電波も届きにくい |
正直に言うと、ホームルーターは「見えるところに置く」のが前提の機器です。隠したい気持ちは分かりますが、隠すほど遅くなると考えてください。
テレビの近く・テレビ台に置くのはNG?
「コンセントとLAN配線がそろっているから」とテレビ台に置く人は多いですが、テレビの真裏や、テレビ台の中の囲まれた棚は避けてください。テレビ本体の金属部分が壁になるうえ、レコーダーやゲーム機など機器が密集していて、WiFiが部屋全体に広がりにくくなります。
どうしてもテレビ周りに置くなら、次の工夫をすると影響を減らせます。
- テレビの横に少し離して置き、画面の裏には入れない
- 棚の中ではなくテレビ台の天板の上など、開けた高い位置に出す
- ゲーム機やテレビはLANケーブルで有線接続し、WiFiはスマホやパソコン用に回す
ホームルーターの場合は、外からの携帯電波を受ける役割もあるため、テレビ台が窓から遠いなら窓際に移すほうが効果が大きくなります。
WiFi側の改善:電波は入っているのに部屋の奥で遅い時
窓際に置いて外からの電波は強くなった。でも、寝室や奥の部屋ではWiFiが弱い。これは「外から受ける」側ではなく「部屋に配る」側の問題です。対策は光回線のルーターと同じ考え方でできます。
2.4GHzと5GHzを使い分ける
多くのホームルーターは2種類のWiFi電波を出しています。
| 帯域 | 特徴 | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| 5GHz | 速いが、壁に弱く届く範囲が狭い | ルーターと同じ部屋のPC・テレビ |
| 2.4GHz | 遅めだが、壁を越えて遠くまで届く | 離れた部屋のスマホ、家電のIoT機器 |
同じ部屋で使うなら5GHz、離れた部屋なら2.4GHzにつなぎ直すだけで改善することがあります。接続先の名前(SSID)は、端末の底面や側面のシールで確認できます。
部屋が広い・間取りが細長いなら中継機かメッシュ
ワンルームなら1台で足りますが、2LDK以上や廊下で部屋が分かれている間取りでは、ホームルーター1台でWiFiを家中に届けるのは難しいことがあります。この場合は市販のWiFi中継機やメッシュWiFiを足すのが定石です。
- 中継機: 安価で手軽。ホームルーターと使う部屋の中間に置く
- メッシュWiFi: 複数台で家全体を1つのWiFiとして覆う。広い家向き
どちらもホームルーター自体の電波の強さは変わりません。「外からの電波は十分なのにWiFiが届かない」時だけ効く対策です。
速度を最優先するなら有線LAN
多くのホームルーターには有線LANポートがあります。PCやテレビ、ゲーム機など動かさない機器は、LANケーブルで直接つなぐのが一番安定します。WiFiの混雑や干渉の影響を受けないため、「WiFiだと遅いのに有線だと速い」というケースは珍しくありません。
賃貸ならではの工夫
賃貸では「置きたい場所にコンセントがない」「窓が少ない」など、持ち家より制約が多くなります。
コンセントの位置に縛られない
ホームルーターは電源が必要なので、コンセントの位置で置き場所が決まりがちです。しかし、窓際にコンセントがないからと部屋の奥に置くのはもったいない選択です。
延長コードを使って窓際まで電源を引くのは、電波の面では正解です。注意点は2つだけで、たこ足配線で容量を超えないこと、そしてコードを踏んだり引っ掛けたりしない取り回しにすることです。窓枠に小さな棚を置いて端末を載せる、カーテンレールの上のスペースを使うなど、高さを確保する工夫も有効です。
鉄筋マンションの奥の部屋
鉄筋コンクリートの建物は、携帯電波にとって最も厳しい環境です。特に「共用廊下側の部屋」や「窓が1方向にしかない部屋」では、窓際に置いても弱いことがあります。
この場合の考え方は次の順です。
- 家の中で一番電波が強い窓にホームルーターを置く(使う部屋と離れていても構わない)
- 使う部屋までは中継機や有線LANで届ける
- それでも弱ければ、別の電波を使う別サービスに切り替える(後述)
「使う部屋に置く」よりも「電波が入る場所に置いて、そこから配る」ほうがうまくいきます。
ベランダ側・玄関側、どちらの窓が良いか
一般に、ベランダ側は開けた方向に面していることが多く、電波が入りやすい傾向があります。ただし、隣の建物が近い、高層階で基地局を見下ろす形になるなどの条件で逆転することもあります。方角で決めつけず、両方で試してください。
置き場所チェックリスト
届いた日、または「遅い」と感じた時に、上から順に確認してください。
- 窓際に置いているか(壁際・部屋の中央ではないか)
- 腰より高い位置に置いているか(床置きではないか)
- 金属製の棚の中、テレビの裏、家電の隣ではないか
- 電子レンジや水槽から離れているか
- 家にある窓を2か所以上で試し、電波表示を比べたか
- 1か所ごとに1〜2分待ってから電波表示を見たか
- 昼と夜、両方で速度を測ったか
- 同じ部屋なら5GHz、離れた部屋なら2.4GHzにつないでいるか
- PCやテレビなど動かない機器は有線LANでつないだか
- 部屋の奥で弱いなら、中継機やメッシュを検討したか
全部当てはまっていて、それでも遅い。その場合は置き場所の問題ではなく、その場所でその電波が弱いということです。次の判断に進みます。
市販のWiFiルーターを足すべきか
ホームルーターを使っている場合、市販のWiFiルーターを買い足す必要は基本的にありません。ホームルーター本体がWiFiを配る役割まで担っているためです。部屋の奥に届かない場合は、中継機やメッシュ機器を足すほうが理にかなっています。判断基準はWiFiルーターの選び方と買い替え時期で整理しています。
試しても改善しない時の判断
置き場所を尽くしても改善しないなら、原因は建物とその電波の相性です。ここからは「いつ気づいたか」で取れる手が変わります。
契約書面を受け取ってから8日以内なら
初期契約解除制度で、事業者の合意なしに契約を解除できます。端末を返却する手間や事務手数料などの負担は残ることがありますが、端末代の残債を丸ごと抱えて解約するよりはるかに軽く済みます。手続きの流れと注意点は初期契約解除制度の使い方にまとめています。
だからこそ、ホームルーターは届いた日のうちに置き場所を試し、速度を測るのが鉄則です。8日はあっという間に過ぎます。
8日を過ぎていたら
選択肢は3つです。
| 選択肢 | 向いている状況 |
|---|---|
| WiFi側の改善(有線・中継機・メッシュ) | 電波表示は十分なのに、部屋の奥や特定の機器だけ遅い |
| 別の電波を使うホームルーターに乗り換え | 電波表示そのものが弱い。スマホの別キャリアは入る |
| 光回線に切り替え | 長く住む予定で、速度と安定を最優先したい |
ホームルーターの3社はそれぞれ使う電波が違います。今の端末で弱くても、別のキャリアの電波なら入ることは珍しくありません。家族や友人のスマホで「どのキャリアが自宅で強いか」を確かめると、乗り換え先の目星がつきます。候補の比較はホームルーター3社比較を、そもそも光回線に切り替えるべきかはホームルーターと光回線どっちを選ぶかを参考にしてください。
乗り換え先を選ぶ時は、必ず先に公式サイトのエリア判定で自宅住所を確認します。判定の見方と落とし穴はWiMAXのエリア確認のコツで解説しています。
- 登録住所に縛られず、引っ越し先や外出先にも持ち運べる
- au・UQモバイルのスマホとのセット割の対象
- 端末はモバイル型・据え置き型から選べる。届いた日から使える
- キャッシュバック型の窓口。受け取り手続きの条件は要確認
※最新の料金・キャンペーン・端末条件は公式サイトでご確認ください
まとめ
- ホームルーターは「外から電波を受ける」「部屋にWiFiを配る」の2役なので、置き場所が速度に2重に効く
- 基本は窓際・高い位置・基地局側の窓。金属棚の中、家電の隣、テレビ裏、床置きは避ける
- 電波が入っているのに奥の部屋で遅いなら、5GHz/2.4GHzの使い分け、中継機、有線LANでWiFi側を改善する
- 置き場所を尽くしても遅ければ建物との相性。8日以内なら初期契約解除、過ぎていれば別の電波のサービスか光回線を検討する
置き場所を変えても速度が伸びない人は、home 5Gが遅い時の対処法で電波側の確認を、乗り換えを考えるならホームルーター3社比較で候補を絞ってください。契約前に試したい人はお試しできるネット回線まとめも参考になります。